社内共有資料 / 経営方針

今回の資金を、「売る仕組み・採る仕組み・届ける仕組み」に変える

数字を一通り見たうえで、私はいまが投資のアクセルを踏むべき時期だと考えています。ただ、順序は間違えたくありません。 「営業人数を一気に増やす」より先に、マーケ・採用・デリバリーの機能を整えます。営業育成は現体制で成果が出ているので、そのまま活かします。 この資料は、私がいま考えている投資額・損益分岐点・採用の踏み方・自分の役割・足りないポジションを一枚にまとめたものです。 最後に、皆さんに相談したいことを書きました。

作成:片川
作成日:2026年8月23日
対象期間:2026年9月 〜 2029年8月(36か月)
共有範囲:社内関係者
3,466万円今期2か月の売上総利益 43.3%同期間の粗利率 約545万円/月直近の固定費 +135万円/月Phase 1 の追加固定費 詳細はセクション02
01

結論

いま私が考えていることは、大きく3つです。

結論 1

投資は踏む。ただし「仕組み → 人数」の順

マーケ・採用・デリバリーの機能を先に整え、その後に営業人数を増やします。営業育成は現体制で回っているので、そこは活かします。人数を先に増やすと、案件を捌く人も、獲ってくる母集団もないまま固定費だけが積み上がる。そこは避けたいと思っています。

結論 2

月70万円の追加投資は、私はほぼ即決でいい

不足している3機能を置いても、返済込みで必要な月間粗利は約717万円。営業2名を足しても約782万円で、直近の実績粗利(5月1,348万円/6月2,118万円)の範囲に収まります。ここは迷っていません。

結論 3

私の主戦場をエンタープライズ営業に戻す

営業管理・PM管理・マーケ実務・採用実務は、それぞれのプロに任せます。私は「3,000万〜1億円規模の案件を作る営業」と「人材投資の最終判断」に集中します。

自分なりに一文にすると: 自分を社内業務から解放して、会社で最もレバレッジの高い「エンタープライズ営業 + 営業R&D」に戻るために今回の資金を使う、ということです。 そのために先に、売る仕組み・採る仕組み・届ける仕組みを作ります。
ただ、現状維持では計画に届きません。 いまの体制の延長線上では、年商は2〜3億円程度にとどまると見ています。 計画に合わせるなら今期4〜5億円は売っておかないといけません。その差は年間およそ2億円です。 今回の投資は、このギャップを埋めるためのものだと考えています(内訳はセクション04)。
02

財務の現在地

「現預金3,000万円」だけでは実態が伝わらないので、銀行提出用にまとめた月次推移と決算資料から、いまの状況を整理しました。 数字は今期(2026年5月期)の月次実績と、2026年7月時点の貸借対照表です。

財政状態(2026年7月時点)

現預金

約3,960万円

現金504万+法人口座3,460万。期首(2026年4月末)から約1,190万円増えています。

売掛金

約4,880万円

うち2,000万円は訴訟を提起する段階で、回収時期・回収可否ともに未確定です。これを除いた手元流動性は約6,840万円になります。

純資産(帳簿)

約7,300万円

自己資本比率は約71%。期首の5,480万円から3か月で約1,820万円増えています。ただし試算表ベースで法人税等が未計上のため、実質は下の表のとおりです。

有利子負債

実質なし

役員借入60万円のみで、金融機関からの借入はありません。今回が初めての本格的な借入になります。

今期の月次実績(2026年5月・6月)

科目2026年5月2026年6月2か月累計
売上高5,378万円2,621万円7,999万円
売上原価(外注費)4,030万円503万円4,533万円
売上総利益1,348万円2,118万円3,466万円
(粗利率)25.1%80.8%43.3%
販売管理費737万円804万円1,542万円
営業利益+610万円+1,314万円+1,924万円
7月に計上予定の請求書約▲800万円
ただし、見た目ほど利益は出ていません。 7月分はまだ締まっておらず、これから請求書が約800万円上がってきます。上の2か月累計にはこれが入っていないので、 実質の利益水準は表よりかなり低くなります。月ごとの粗利率も25.1%と80.8%で大きく振れていて、単月の数字では会社の状態は判断できません。 加えて、売掛金4,880万円のうち2,000万円は訴訟を提起する段階で、回収を前提にできません。 それでも、無借金で事業自体は利益を出せている点は事実です。この体力があることが、私がアクセルを踏めると判断した根拠です。

純資産は、帳簿ほどは残りません

試算表の純資産7,299万円は計算としては合っていますが、まだ引かれていないものが3つあります。 実力値として見るなら、次のように置くべきだと考えています。

項目金額内容
試算表上の純資産(2026年7月)7,299万円資本金500万+繰越利益剰余金4,981万+当期純利益1,818万
7月に計上予定の請求書▲800万円7月分がまだ締まっていないため未反映
今期分の法人税等▲約350万円試算表では未計上。実効税率34%での概算
訴訟中の売掛金▲2,000万円これから訴訟を提起する段階。全額回収できない場合の最大影響
実質の純資産(最悪ケース)約4,150万円自己資本比率は約50%。訴訟分が回収できれば約6,150万円に戻ります

※ 帳簿上の71%という自己資本比率は、この3つを引くと約50%になります。それでも財務としては健全な水準ですが、判断はこちらの数字で行います。

前提の修正 ―「固定費250万円/月」は実態と違いました

これまで固定費を月250万円で置いていましたが、直近の販売管理費は月737〜804万円です。 このうち広告宣伝費と研修費は、判断で止められる投資的な支出なので固定費から外します。 残る約545万円/月(2か月平均)を、止めにくいコスト=現在の固定費として以降の試算に使います。

固定費に入れる

人件費 約220万円

役員報酬80万+給料手当・法定福利。5月182万→6月262万。2026年4〜8月に正社員5名を採用しており、まだ上昇局面です。

固定費に入れる

その他 約323万円

地代家賃81万、支払手数料116万、保険料20万、顧問料30万ほか。

固定費から外す

販促・育成 約226万円

広告宣伝費135万+研修費113万(6月)。必要に応じて調整できる投資的な支出として、損益分岐の計算からは除いています。

※ 販促・育成を外しているぶん、実際にはその約226万円も支出しています。通常どおり使う前提なら、必要粗利はそれぞれ+226万円と読んでください。
※ 今期の人件費計画は年2,128万円(公庫に提出した賃上げ計画書ベース/役員報酬・法定福利費を除く従業員給与)。採用が進むぶん、固定費はここからさらに上がります。

粗利率は事業によって異なる

受託開発

粗利率 40%

エンジニア・パートナーの稼働が案件ごとの原価として乗るため、売上の40%が粗利として残ります。外注比率が高い案件では、5月のように25%まで下がります。

AIセールス伴走

粗利率 70〜80%

基本は社員・業務委託の固定報酬で提供しますが、業務委託のPMが稼働するケースもあるため原価はゼロになりません。それでも開発の約2倍の粗利率が残ります。試算では中央値の75%を置いています。

なので私は、判断の軸を「月商」ではなく「月間粗利」に置いています。 実績でも月によって粗利率は25.1%と80.8%まで振れるので、月商だけを見ても会社の状態は分かりません。 必要な月間粗利は「固定費 + 借入返済」で決まり、現状は約647万円/月です。 なお、この粗利率の水準そのものを是とするのかは別の論点だと思っていて、セクション10で相談させてください。

借入の前提

返済条件(仮)

7年 / 年2%

条件が確定していないため仮置き。確定後に更新します。

元利返済

約102万円/月

元利均等での概算。

借入後の姿

自己資本比率 約40%

現預金は約1.2億円に。無借金からの調達なので、財務指標としては十分に健全な範囲です。

※ 出所:月次推移(損益計算書・貸借対照表/2026年5月期)、賃上げ計画書(2026年8月3日)。金額は表示のため万円単位に丸めています。

03

何に投資するか ― 不足している3機能に月70万円

私が増やしたいのは単なる固定費ではなく、「マーケを作る人」「案件品質を守る人」「採用を作る人」への投資です。 営業育成については現体制で成果が出ているため、体制はそのまま継続します。 採用は「見極める人」と「候補者を集めて回す人」の2枠に分けます(詳細はセクション09)。 加えて、マーケ立ち上げの初期投資として300万円(一時費用)を見込みます。

投資先何を作るための投資か形態月額概算性質
デリバリー統括 / CS責任者 既存顧客のLTV最大化。案件品質・納期・継続率を担保し、PMを育てる。 業務委託30万円 既存パートナーの2枠目
社内マーケター リード獲得の内製化。外注ノウハウを社内に蓄積する受け皿。 業務委託/時短20万円 月80時間・時給2,500円想定
採用責任者(カルチャー・見極め) 候補者面談、新卒説明会、自社の魅力訴求、カルチャーフィット判断、営業人材の見極め、入社後フォロー。 業務委託10万円 元同僚。小さく開始
採用オペレーション 求人票、Wantedly・Indeed・エージェント運用、スカウト、書類選考、日程調整、採用KPI管理。 業務委託 or RPO代行10万円以下 代行との比較で決定
合計(月額)約70万円/月
マーケ外注(専門会社) 集客の立ち上げ。社内マーケターへのノウハウ移植元。 外注初期300万円 一時費用
営業育成(営業コンサル) 営業社員の行動管理・育成。「普通の営業を強くする」実行者。 業務委託 現体制を継続
この70万円の質: デリバリー統括の30万円は、すでに成果が確認できている人材の稼働を買い増すもので、 実績が分からない相手への投資というより、すでに成果が見えている投資先への追加出資に近いと思っています。 残るマーケ・採用は、いま社内に機能そのものがない領域です。ここも、実績のある専門会社と、私を深く理解してくれている候補者が対象です。

あわせて、リード獲得チャネルの質を入れ替える

ここは私が自分で動いている部分で、追加コストはほとんどかかりません。行く先の質は変え続けています。 エンタープライズ戦略(3,000万〜1億円規模の案件)に接続しない場は縮小し、一定規模以上の経営者に会える場に寄せていきます。

チャネル位置づけ方針
小規模事業者中心のコミュニティ
KOBUSHIマーケティング、EPM など
これまでの中心。案件規模が小さく、大型案件に接続しにくい 縮小
M&Aバンクサロン、日本合理化協会 など 一定規模以上の経営者に会える場。今回からシフト 主戦場に切替
参謀BAR 質の高い方が集まっており、関係構築の場として機能している 継続
クラブななえ(ママ経由の人脈) 関係が築けており、X界隈への接続点になる 横展開
SNS:Facebook → X これまではFacebook中心。今後はX界隈にも顔を出す 比重をXへ

※ 私の時間配分(エンタープライズ営業40%)に含まれる活動なので、追加の固定費は発生しません。

04

どこまで踏めるか ― 損益分岐

判断の軸は月間粗利です。必要な粗利は「いまの固定費545万円 + 追加投資 + 借入返済102万円」で決まります。 下のグラフは、その積み上げに直近の実績粗利を重ねたものです。営業社員は給与27万円クラスを想定し、社会保険等の会社負担を含めて1人あたり32〜33万円/月で計算しています。

必要な月間粗利(コストの積み上げ)と、実績の粗利

5月の粗利 1,348万
6月の粗利 2,118万
A. 現状維持
647万
B. 不足3機能(+70万)
717万
C. B+営業2名(+135万)
782万
D. B+営業5名(+232万)
879万
E. B+営業10名(+394万)
1,041万
0600万1,200万1,800万2,400万
いまの固定費 545万 追加投資 借入返済 102万 直近の実績粗利
バーが縦線より左にある限り、キャッシュは減りません。 営業10名まで一気に増やしたシナリオEでも必要粗利は1,041万円で、5月(1,348万円)・6月(2,118万円)の実績粗利をどちらも下回ります。 ただしこの計算は販促・育成の約226万円を外しているので、そこを通常どおり使うなら、それぞれ+226万円で見てください(Phase 1 なら約1,008万円)。 加えて7月はまだ締まっておらず、請求書が約800万円上がってくるので、単月では大きく下振れします。単月ではなく3か月平均で判断すべきだと考えています。

必要粗利を、月商に換算すると

シナリオ追加固定費必要粗利/月 粗利35%なら粗利40%なら粗利50%なら
A. 現状維持647万円 1,848万円1,617万円1,294万円
B. 不足3機能のみ70万717万円 2,048万円1,792万円1,434万円
C. B+営業2名 Phase 1135万782万円 2,234万円1,955万円1,564万円
D. B+営業5名 Phase 2232万879万円 2,511万円2,197万円1,758万円
E. B+営業10名 Phase 3以降394万1,041万円 2,974万円2,602万円2,082万円

※ 直近2か月の実績粗利率は43.3%ですが、外注比率の高い月は5月のように25%まで落ちます。保守的に見るなら35%の列で判断します。伴走(粗利率70〜80%)の比率が上がるほど、同じ粗利をより少ない売上で作れます。

粗利水準別・返済後キャッシュフロー

シナリオ月間粗利 600万800万1,200万1,700万最悪時の耐久
A. 現状維持▲47万+153万+553万+1,053万10年超
B. 不足3機能のみ▲117万+83万+483万+983万約68か月
C. B+営業2名 Phase 1▲182万+18万+418万+918万約43か月
D. B+営業5名 Phase 2▲279万▲79万+321万+821万約28か月
E. B+営業10名 Phase 3以降▲441万▲241万+159万+659万約18か月

※ 直近の実績は5月1,348万円/6月2,118万円。7月は売上・費用ともに未確定で、請求書が約800万円計上される見込みのため、この2か月平均をそのまま実力値とは見ていません。「最悪時の耐久」= 月間粗利600万円が続いた場合に、成長投資枠(手元資金から防衛ラインを除いた約7,900万円)で何か月もつかの単純計算です。訴訟中の売掛金2,000万円が回収できない場合、この枠は約6,000万円になります。

シナリオEの位置づけ: 営業10名を一気に増やすと、粗利が800万円まで落ちた月に赤字になります。販促・育成を通常どおり使う前提だと、必要粗利は約1,267万円まで上がります。 売上が伸びる前提の投資になるので、営業の再現性が確認できる前に踏むつもりはありません。

ここまでは守りの下限。計画に必要なのは年商4〜5億円

ここまでの損益分岐は「これを下回ると現預金が減る」という守りの下限です。 ただ、私の感覚では現体制の延長で届くのは年商2〜3億円程度で、計画に合わせるなら今期4〜5億円は売っておかないといけません。 年商4〜5億円は月商3,300〜4,200万円。5月(5,378万円)は超えていますが、6月(2,621万円)では届きません。ここを安定させる必要があります。

積み上げ今期の寄与(目安)前提
現体制の延長2.0〜3.0億円 既存顧客の継続と、いまの受注ペース
営業増員(Phase 1〜2で+5名)0.5〜1.0億円 立ち上がり期間を考慮し、1人あたり年2,000〜3,000万円の一部が今期寄与
私のエンタープライズ大型化1.0〜1.5億円 3,000万〜1億円規模を年3〜5本。うち今期着地する分
AIセールス伴走(ストック)0.3〜0.5億円 粗利率70〜80%。積み上がるほど必要月商が下がる
合計3.8〜6.0億円 中心値で年商4〜5億円に届く構成
私が判断すべきことは、2つに分かれていると思っています。 ひとつは「どこまでなら踏んでも財務的に安全か」(=損益分岐の話)。もうひとつは「4〜5億円に届く積み上げをどう作るか」(=成長の話)です。 前者だけで判断すると投資が足りず、現状維持の年商2〜3億円に落ち着きます。 それと、月商3,300〜4,200万円を捌くには、売る体制だけでなくデリバリー側の拡張(開発パートナーの法人化・チーム化、PM増強)が先に要ると考えています。
05

採用アクセルは3段階に分ける

各フェーズに「次へ進む条件(ゲート)」を置き、条件を満たしたときだけ次の段に上がるようにします。

営業を増やす理由は、採算だけではない

正直なところ、いまは5名体制なので1名が抜けたときのインパクトが大きい状態です。人数を増やすこと自体にも、次の3つの可能性があると思っていて、そこを大事にしたいと考えています。

可能性 1

母数が増えることによる気づき

人数が増えるほど、採用・育成・営業プロセスの当たり外れが傾向として見えてきます。1〜2名では判断できなかったことが、数が揃うと読めるようになります。

可能性 2

1名離脱時のインパクトが下がる

5名で1名が抜ければ2割の欠損ですが、10名なら1割です。人数を増やすこと自体がリスク分散になります。

可能性 3

人数が生む化学反応

1名だったころと比べ、5名に増えたことで実際に起きている相互作用があります。この効果は人数を増やすことでしか得られません。

PHASE 1 / 2026年9月〜(即実行)

不足3機能 + 営業2名

仕組みを作る人を先に置き、営業は小さく増やします。

  • マーケ外注 300万円(初期)
  • 社内マーケター 1名(月80時間・20万)
  • デリバリー統括/CS責任者 +30万
  • 採用体制 2枠(計20万・小さく開始)
  • 営業社員 +2名(計7名体制)
追加固定費約135万/月
必要粗利月 約782万
PHASE 2 / 3〜6か月後

営業を +3名(計10名前後)

数字で「育つ」ことを確認してから増やします。

  • 営業7名体制で指標を検証
  • 商談数 / 受注率 / 1人あたり粗利 / 立ち上がり期間
  • 「新人でも半年程度で一定水準まで育つ」が見えたら実行
ゲート条件月間粗利1,000万以上が安定
必要粗利月 約879万
PHASE 3 / 再現性の確認後

営業 10名 → 15名

ここで初めて踏み抜きます。

  • 「営業1人を採用すると平均◯か月後に月粗利◯万円を生む」が判明していること
  • 「お金があるから採る」ではなく、投資回収モデルが確立した状態で採る
  • この状態になれば、採用はコストではなく投資になります
ゲート条件1人あたり回収モデルの確立
方針条件を満たすまで保留

営業1人あたりの採算基準

損益分岐ライン

月間粗利 33万円

会社負担33万円をそのまま回収する水準。売上に換算すると、開発なら月商82.5万円(年間約1,000万円)、伴走なら月44万円分で足ります。

最低基準

年間粗利 800〜1,200万円

開発中心なら年間売上2,000〜3,000万円に相当します。給与400〜600万円程度なら十分な利益が残る水準で、育成費・管理費を含めた実質的な目標です。

強い営業の水準

年間 5,000万〜1億円

開発中心で見た売上水準。この水準の人材が育つなら、営業採用を止める理由がほぼなくなります。

私(エンタープライズ)

年間 2〜3億円

3,000万〜1億円規模の案件を年3〜5本。営業社員の積み上げとは別枠で会社の上限を引き上げます。

06

資金管理ルール

手元資金のすべてを自由に使えるお金だとは考えていません。防衛ラインと成長投資枠を分けて管理します。

RULE 1

防衛ラインを割ったら採用を停止する

現預金が防衛ライン(4,000万円)を割りそうになった時点で、原則として採用を停止します。運転資金と不測の事態への備えとして、この水準には手をつけません。 なお現在の現預金は約3,960万円で、すでに防衛ラインとほぼ同じ水準です。Phase 1 の着手は借入の実行後になります。

RULE 2

成長投資は枠の中だけで行う

防衛ラインを除いた範囲内で、マーケ・人材・採用に投資します。Phase 2まで進んで月間粗利が600万円まで落ち込んだ場合(月▲279万)でも、単純計算で約28か月の余力があります。ただし訴訟中の2,000万円が回収できない場合、この枠は約6,000万円に縮み、耐久月数も4分の3程度になります。

RULE 3

リスクは順番に取る

「人を見る目があるから全部当たる」とは思っていません。確度の高い順に投資します。この3段階は守ります。

投資の順序 ― リスクラダー

STEP 1 / 最も確度が高い
当たりが分かっている既存人材への追加投資

デリバリー統括 +30万(年間360万円)。成果が確認済みの稼働を買い増すため、実質的なリスクは低い投資です。営業育成も現体制が機能しているため、まずはこの土台を崩さないことを優先します。

STEP 2 / 中程度
新規のプロ人材・専門会社

マーケ外注、社内マーケター、採用体制の2枠。実績や関係性はあるものの、自社での成果はこれから検証する領域です。小さく始めて見極めます。

STEP 3 / 最後に取る
一般採用の量産

営業社員の複数名同時採用。育成の再現性が数字で確認できてから規模を拡大します。ここを先に踏むと固定費だけが積み上がります。

月次でモニタリングする指標

指標見る理由アクションの閾値
現預金残高投資判断の大前提4,000万円に近づいたら採用停止
月間粗利(3か月移動平均)月別の粗利率が25%〜81%まで振れるため、単月では判断できない必要粗利(各フェーズの数字)を継続的に下回るなら投資を止める
伴走(ストック)売上の比率全社粗利率と収益の安定性を左右する比率が上がるほど必要月商は下がる。月次で構成比を確認する
営業1人あたり月間粗利採用が投資として成立しているか33万円(回収ライン)を下回る人が続くなら育成側を見直す
新人の立ち上がり期間Phase 2 / 3 に進む判断の中核半年程度で一定水準に届くかどうか
案件のデリバリー品質売上を伸ばして崩れないか遅延・トラブルが増えるならデリバリー側を先に補強
07

組織モデル ― プロ人材を中核に置き、その下に組織を積む

私は、無理に「社員50人の会社」を目指すつもりはありません。社内にノウハウを蓄積したい領域は社員、即戦力のプロに入っていただきたい領域は業務委託。 いまのモデルをさらに強化します。大事なのは「社員を何人増やすか」よりも、どのプロの稼働に追加で投資するかだと思っています。

DELIVERY
デリバリー統括/CS責任者
↓ 仕組みを作っていただく
PM・開発パートナーを積む
既存顧客のLTVに責任を持ち、品質と納期の基準を定義したうえで、その下に人を積む。
SALES
営業コンサル
↓ 仕組みを作っていただく
営業社員を増やす
行動管理・育成の型を作り、その下で新人が立ち上がる状態にする。
MARKETING
マーケ専門会社
↓ ノウハウを移植
社内マーケターへ内製化
外注で立ち上げ、走りながら社内に移す。外注を続けるのが目的ではない。
HIRING
採用責任者
↓ 仕組みを作っていただく
採用システムを作る
見極めと魅力づけを責任者が担い、母集団形成・選考オペレーションは分担する。

デリバリー:指揮系統を1段深くする

BEFORE
PM(複数)

案件が増えるほど私がボトルネックになり、品質と納期が私の稼働に依存してしまいます。

AFTER
デリバリー統括PMエンジニア

統括に既存顧客のLTVを見ていただき、私は個別案件の管理から外れます。契約上は既存パートナーの2枠目として増枠する形を考えています。

デリバリー統括/CS責任者のミッションとKPI

ミッション:既存顧客のLTV最大化

案件粗利率納期遵守率顧客満足度炎上案件数 継続率追加受注額アップセル額PM評価

開発リソース:主力パートナーの法人化・チーム化

現状

見積もり競争力の源泉

技術力と単価の両面で突出した開発パートナー(個人)がおり、これが見積もり段階での価格競争力につながっています。

課題

リソースが上限に近い

受注が増えるほどこの1名がボトルネックになります。AI時代にオフショアへ出すのは方向性が合わないため、この体制自体を広げる方針です。

方針

法人化を働きかけ、法人間取引へ

ご本人に正社員の意向はなく、開発側は業務委託・パートナー形態でいいと私は考えています。法人化とチーム化をお願いし、信頼できる開発パートナー会社として法人間取引に移行できないかと思っています。

移行にあたっての論点: ① 法人化は相手にメリットがなければ動かないため、継続的な発注量の見通しをセットで示す。 ② チーム化するとメンバー分の原価が乗るため、現在の単価がそのまま維持される前提は置かない(開発の粗利率40%の前提に直結します)。 ③ 依存度が上がるぶん、単価・稼働枠・秘密保持・知的財産の扱いを法人間契約として整える。 ④ 単一パートナーに寄せきらないよう、2社目の候補も並行して持っておく。
強みを仕組みにする: これまで業務委託の人選で大きな失敗をしていないことは、自分の強みだと思っています。 ただ、自分の感覚のままにしておくと会社の資産になりません。過去に大当たりだった方と、そうでなかったケースを並べて判定基準を言語化します。 「何を見て決めたか」「面談時に何を感じたか」「経歴のどこを評価したか」「稼働開始後に何が違ったか」を整理すれば、 私以外でもPM・エンジニア・コンサルを高い精度で見極められるようになるはずです。これを採用責任者と一緒に進める最初のテーマにします。
08

私(片川)が担うこと

よく「会社が2〜3億になったら社長は営業をやめて経営に専念すべきだ」と言われます。ただ、いまのPFSで自分がそうするのは違うと思っています。 営業育成は営業コンサル、デリバリーは統括、マーケも採用もプロに入っていただくのであれば、私は自分にしかできない営業をやります。 自分の次の成長テーマは「経営」だけでなく「営業」だと考えています。

ROLE 1

エンタープライズセールスを主戦場にする

500万〜2,000万円案件を取る営業から、3,000万〜1億円案件を作る営業へ進化します。大手企業の役員・部長クラスへの入り方、複数部署を巻き込む提案、経営課題からのDX/AI構想づくり、PoCから全社展開、年間契約・大型開発へのアップセル、パートナーとの共同提案。いずれもマニュアル化しにくい領域なので、ここは自分でやります。

ROLE 2

「専門性 × 営業力」を極める

「AIできます」「DXできます」では大手には通りません。物流DX×AI、建設DX×AI、商社・卸の基幹業務×AI、営業組織×AIのように、相手以上に業務を理解している状態を作ります。商談が「何かAIでできますか?」から「この受発注フローのここがボトルネックなので、基幹とAIエージェントをこう繋ぎましょう」に変われば、単価が一段変わります。いまの商談力を上げるのは、自分自身が変わらないといけない部分だと思っています。

ROLE 3

自分で売りながら「次の営業OS」を作る

自分だけが大型案件を取れる状態では、また社長依存に戻ってしまいます。私が新しい売り方を開発 → 営業コンサルが言語化 → AIセールスくんに落とす → 営業社員へ移植という循環を作ります。大手向け商談を録画・文字起こしし、「なぜこの質問をしたのか」「なぜこのタイミングで事例を出したのか」まで分解すれば、エンタープライズ版のナレッジ資産になります。つまり、自分が営業R&Dをやるということです。

ROLE 4

「誰に投資するか」の判断は手放さない

採用実務(候補者集め・日程調整・一次面接・求人票・エージェント対応)はすべて任せます。ただし「この方に年間1,000万円規模の投資をするか」の最終判断は私がやります。自分の実績がある領域ですし、経営者として最もレバレッジの高い仕事だと思っています。

私がやること/手放すこと

私がやる
  • エンタープライズ案件の開拓・受注年3〜5本の大型案件で年間2〜3億円を目指す
  • 業界・業務の専門性を深める特定領域で「相手以上に業務を理解している」状態を作る
  • 新しい営業手法の開発と言語化自分の商談を素材に、営業コンサル・AIセールスくんへ移植
  • 人材投資の最終判断「誰に投資するか」は自分で見る
  • 既存重要顧客・アライアンス関係性が売上に直結する相手だけを持つ
私は手放す(任せる)
  • ×
    営業社員の日々の行動管理→ 営業コンサル
  • ×
    PMの日々の管理・案件品質管理→ デリバリー統括
  • ×
    セミナー運営・記事制作・HP更新→ マーケ担当
  • ×
    求人媒体運用・候補者対応→ 採用担当
  • ×
    バックオフィス実務→ 任せる

これからの時間の使い方

エンタープライズ営業
40%
業界・AI・DXの専門性強化
20%
新しい営業手法/事業開発
15%
人材の発掘・採用最終判断
10%
既存重要顧客・アライアンス
10%
社内管理
5%

ポイントは社内管理を5%まで落とすことです。社内を見なくなるという意味ではなく、 「自分が直接やらないと会社が回らない仕事」を極端に減らすということです。ここに自分が入り続けると、強い方に来ていただく意味が薄れます。

社員との接点は、頻度より「予測可能性」

施策頻度目的代表の所要
1on1(全員)月1回・30分/人状態把握と方向づけ月2.5時間(5名)
MVV会議月1回・1時間素案の検証と運用月1時間
全社ミーティング四半期・半日数字と方針の共有四半期0.5日
懇親の場四半期・任意参加関係構築四半期1回
キックオフ年1回・1日方針の再確認年1日
正直なところ、私はほとんど社員と飲みに行っていません。 ただ、そこを増やすことが答えだとも思っていません。頻度よりも「いつ話せるかが分かっていること」のほうが効くと考えています。 不定期の飲み会は参加できる人とできない人が分かれるので、業務時間内の1on1を月1回で固定するほうが確実です。 上の設計でも私の所要は月あたり約5時間で、時間配分の「社内管理5%」に収まります。 イベントの設計と頻度については、あらためて相談させてください(セクション10)。
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足りないポジション一覧

この体制を作るために埋めたい枠です。優先度は確度の高い順に並べました。

優先ポジションミッション形態コスト時期状況
1デリバリー統括/CS責任者 既存顧客のLTV最大化/案件品質・納期・継続率/PM育成業務委託 +30万/月Phase 1既存パートナーの2枠目。即実行可。
2マーケ外注(専門会社) 集客の立ち上げ/社内へのノウハウ提供元外注 初期300万Phase 1実績のある会社。発注判断。
3社内マーケター リード獲得の内製化/外注ノウハウの受け皿業務委託/時短 20万/月Phase 1月80時間想定。マーケ外注と並行で着手。
4採用責任者(カルチャー・見極め) 候補者面談/新卒対応/カルチャーフィット判断/営業人材の見極め/入社後フォロー業務委託 10万/月Phase 1候補者あり。小さく開始して見極める。
5採用オペレーション 求人票/媒体・エージェント運用/スカウト/書類選考/日程調整/採用KPI管理業務委託 or RPO代行 10万以下/月Phase 1個人への委託とRPO代行を比較して決定。
6営業(中小〜中堅担当) 再現性のある案件を積み上げる/年間2,000〜3,000万円が基準社員 約33万/人・月 P1 +2 P2 +3 P3 +5 段階採用。フェーズのゲート条件を満たしたら次へ。

採用機能は2つに分ける

採用責任者 / カルチャー責任者(約10万円・月)

「入れていい人か」を判断する

  • 候補者面談
  • 説明会など新卒対応
  • 自社の魅力訴求
  • カルチャーフィット判断
  • 営業人材の見極め
  • 入社後フォロー
採用オペレーション(10万円以下・月/RPO代行も比較)

「候補者を集めて回す」

  • 求人票の作成
  • Wantedly・Indeed・エージェント運用
  • スカウト
  • 書類選考
  • 日程調整
  • 採用KPI管理

※ 代表は「誰に投資するか」の最終判断のみを持ち、採用実務はこの2枠に寄せます。

今後の検討枠(本資料では未確定)

ポジション想定ミッション検討時期ステータス
エンタープライズ提案支援/業務コンサル人材 私の大型案件で、業務フロー分析・提案品質を支える。「専門性×営業力」を組織として持つための布石。 Phase 2以降要検討
MVV策定の外部ファシリテーター Mission/Visionの言語化を進行役として支援。中身は自社で作り、外部には進行のみを依頼する。スポットで1〜2回・半日。 Phase 1 と並行要検討
営業育成体制の拡張 現体制で機能しているため当面は継続。営業人数の増加に対して手が足りなくなった段階で、稼働の拡大を協議する。 Phase 2以降必要に応じて
管理・バックオフィス実務 経理・請求・契約まわりの実務。私の社内管理を5%に落とすうえで、受け皿が必要かを確認する。 Phase 1〜2要確認
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相談したいこと

ここから先は、私だけで決めきれていない、あるいは自分だけで決めたくない部分です。 この資料を共有する皆さんの意見をいただきたいと思っています。

相談 1

MVVをどう決めるか

いまの状況:まだ決めきれていません。月1回のMVV会議は設けていますが、全員が目の前の仕事で忙しく、抽象的な議論が毎回ゼロから始まります。正直、雲行きが分からないまま突き進んでいる感覚があります。

なぜ急ぐか:カルチャーフィットの見極めを採用責任者に任せる以上、その前提になる言葉が先に要ります。

いまの自分の考え:① 中身は外に出さず、進行役だけを外部にお願いする(私が進行すると、私の意見が結論になってしまう) ② Mission・Visionは経営者が決めるもの、Valueは全員で作るもので、決め方が違う。まず会議体を分ける ③ 素材はすでにある(これまでの意思決定の理由と、人材の判定基準の言語化) ④ 合宿はMVVが固まってから

相談したいこと:外部の知見を借りるべきか。どの範囲のメンバーで作るか。合宿やイベントを、どれくらいの頻度で設定すべきか。

相談 2

開発リソースをどう広げるか

いまの状況:技術力と単価の両面で突出した開発パートナー(個人)がいて、見積もりの競争力につながっています。ただリソースが上限に近く、受注が増えるほどここがボトルネックになります。

いまの自分の考え:AI時代にオフショアへ出すのは方向性が合わないので、この体制自体を広げたい。法人化(株式会社化)とチーム化をお願いし、信頼できる開発パートナー会社として法人間取引に移行するのがいいと思っています。ご本人に正社員の意向はなく、開発側は業務委託・パートナー形態でいいと考えています。

相談したいこと:法人化を打診するタイミングと伝え方。チーム化した後の単価と粗利率をどう設計するか(メンバー分の原価が乗るので、いまの単価が維持される前提は置いていません)。2社目の候補を並行して持つべきか。

相談 3

案件別の採算をどう出すか

いまの状況:案件ごとの採算をきちんと出せていません。算出はデリバリー統括に依頼済みです。

なぜ必要か:月別の粗利率が25%から81%まで振れていて、全社の平均値だけでは打ち手が決められません。開発40%・伴走70〜80%という前提そのものを、実データで検証する必要があります。

相談したいこと:どの粒度で出すか(案件別/顧客別/PM別)。何を原価に含めるか(外注費だけか、PM稼働・営業工数・管理費まで入れるか)。いつ見るか(受注時の見込み/月次/完了時)。

相談 4

粗利率は、この水準のままでいいのか

いまの状況:開発は40%を前提に置いていますが、外注比率の高い案件では5月のように25%まで落ちます。伴走は70〜80%。2か月平均で43.3%です。売上は立っても粗利がほとんど残らない案件が混ざっています。

論点:① 開発の粗利率そのものを上げにいくのか(値付けか、原価側か) ② 主力パートナーの法人化・チーム化でメンバー分の原価が乗ると、40%の維持自体が難しくなる(相談2と連動します) ③ 5月のような大型のパススルー型案件を取り続けるべきか。売上は積み上がりますが粗利は残りません ④ 伴走の比率を上げれば、同じ粗利をより少ない売上で作れます

相談したいこと:目標を「売上4〜5億円」で置くのか、「粗利いくら」で置き直すのか。開発案件に粗利率の下限ライン(これを下回る案件は受けない)を設けるべきか。伴走比率の目標を置くべきか。

相談 5

評価ロジックをどう組むか

いまの状況:人が増えているのに、評価の考え方が固まっていません。採算が出たら、そこに接続する形で組みたいと思っています。

論点:営業は粗利ベースか受注額ベースか、立ち上がり期間をどう扱うか。PMは案件粗利率・納期遵守・顧客満足をどう配分するか。業務委託の方との公平性。そしてValueが決まったときに、評価とどう接続するか。

相談したいこと:定量と定性の比率。評価と報酬をどこまで連動させるか。

相談 6

社員の「視座」をどう上げるか

いまの状況:売上が上がってきている社員でも、視座が足りていないと感じる場面があり、発言で気になる部分が出てきます。ここはコツコツ教育していく必要があると思っています。

相談したいこと:視座を上げる会話を、どのタイミングで持つのがいいか。1on1で扱うのか、案件のレビューの中で扱うのか、別の場を作るのか。特にOllyでは、どういう場面でそうした会話をされているのか教えていただきたいです。

相談 7

今期の着地をどう置くか

いまの状況:直近2か月(2026年5月・6月)の売上は合計7,999万円で、単純に年換算すると4.8億円ペースになります。ただし7月は請求書が約800万円上がってくる見込みで、実際にはそこまで利益は出ていません。私の感覚では、現体制の延長で届くのは年商2〜3億円だと見ています。

相談したいこと:この差をどう見るか。5月の大型案件のような波を、どこまで見込んでよいか。ここが決まらないと、投資の踏み方も変わってきます。

あわせて決めておきたいこと

営業KPIに「1人あたりの回収ライン」を落とし込む

最低ライン=月間粗利33万円(人件費の回収)、目標=年間粗利800〜1,200万円。営業コンサルと共有して、育成計画に組み込みます。

Phase 2 の判定タイミングを先に決めておく

Phase 1 開始から3〜6か月後にレビュー日を設定し、商談数・受注率・1人あたり粗利・立ち上がり期間を確認したうえで増員の可否を判断します。走りながらだと判断が後ろ倒しになるので、日付を先に置きます。